家庭用の太陽光発電のためのモジュールは、発電出力が10キロワット以下という小規模なものがほとんどですが、それでも外側からみたときの住宅全体としての美観をそこねてしまうことがあります。もし新築住宅で太陽光発電の採用を検討しているのであれば、住宅そのものを、こうしたモジュールの設置に見合ったものに工夫することもひとつの方法です。家庭用の太陽光発電のモジュールには、おもに屋根の上に架台を設置し、その上にモジュールを載せる形式の屋根置き型と、建材としての瓦などと同様の感覚で屋根に据え置きが可能な屋根材一体型の2つのタイプがあります。屋根置き型は、太陽光発電のモジュールとしては比較的オーソドックスなものであり、種類も豊富です。

これを新築住宅に用いる場合は、屋根そのものを南向きの片流れのデザインとして、太陽光がよく当たるように、しかもモジュールの重量に耐えられるようにするといった工夫がまず挙げられます。また、屋根材一体型であれば、周囲の屋根材も似たようなデザインとすることで、太陽電池の部分が極端に自己主張せず、自然になじむような景観を保つことができます。いずれの場合についても、新築の時点で建物のイメージパースなどを確認して、あとから悔いの残らないようなものとすべきでしょう。太陽電池そのものの寿命は、一般に10年から20年以上とされており、いったん設置してしまうと、そのままの状態が長期間続いてしまうと考えるべきものだからです。